8.膝枕をして?
「膝枕をして?」
胸がキュンとした。
その表現は大の男として恥ずかしいのだが、実際にそうなのだから仕方がない。
オーフェンは思わず姿勢を正して、ぱたぱたとひざのゴミ(あるのかないのか知らないが)を払った。
「ど、どうぞ?」
緊張のせいか、どもってしまう。
けれどクリーオウは気にした様子もなく、嬉しそうに寝転んだ。
広がる金髪や小さい頭や重さや、何もかもが愛しい。
クリーオウはオーフェンとは反対側を向いてしまっているが、それでも有り余るほどの幸せがあふれてきた。
夢に見たシチュエーション。
二人の位置は夢とは逆なのだが、逆なことがさらに良い。
と、クリーオウは嬉しそうに恥ずかしそうに、ちらりと彼を見て、すぐに顔を戻す。
(うあ―――!)
そのしぐさはあまりにも好みすぎて、やめてくれと許しを請いたくなってしまった。
一度に全部を味わってしまうのが、もったいなくらいだ。
とにかく、今は顔が歪みすぎていて、見られると彼女に幻滅されてしまうおそれがある。
オーフェンは彼女がこちらを見ないようにと、頭にぽんと手を置いた。
「くすぐったいからやめろ」