□ 037:もしも □


「もしも、わたしがオーフェン以外の人を好きになったら、どうする?」
「それは――例えばマジクとか?」
「ううん。知ってる人じゃなくて。会ったこともないような人」
「どうするって聞かれても」
「わたしは、その人を見て、好きになるかもって思っちゃうの。だけどわたしにはもう大好きな人がいるから、好きになっちゃだめって思うのよ」
「やけに具体的な話だな」
「好きになっちゃだめって思うのよ?でもどうしようもないこともあるのね」
「・・・聞かなかったことにする」
「いやよ、聞いて。わたしの頭の中は、99%オーフェンのことでいっぱいなの」
「そりゃありがたい」
「・・・でも待って。・・・レキもいるし、60%?ううん、50%?他にも大事なものがあるから・・・20%?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「50%はオーフェンなのね」
「半分近く減ってるぞ」
「えーと、じゃあね」
「じゃあ?」
「生活全部で考えるからダメなのよね。大好きな男の人の割合が仮にオーフェンで100%として」
「仮?」
「ほぼ100%?」
「ほぼ・・・」
「とりあえず?」
「100%って言い切ることはできないのか?」
「・・・・・・・・・」
「・・・・泣いていいか?」
「・・・・・。・・・冗談よ」
「いまっ!間があったぞ!」
「とするとね」
「パーセンテージはどうした」
「97%とするとね」
「3%は!」
「ほぼ100%の残った部分?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ、いいんだ。つっこんだ俺が悪かった。ほぼ100%で納得するべきだったんだよな」
「うん。97%がオーフェンとしてね」
「フォローはなしかよ!?」
「なんの?」
「・・・もういい。ちっとも先に進みやしない」
「うん。でもね、話してるうちになんだかどーでも良くなってきたわ」
「お前が良くても俺が悪いわ。俺以外の奴を好きになったらとか言ってたじゃねーか」
「そうだけど。でもこうして話してると、わたしオーフェンのこと好きだなーって思うし」
「・・・・・・・・」
「好きだなーって思うし」
「・・・本当に?」
「うん」
「いちばんにか?」
「そうよ」
「好き?」
「うん」
「そっか」
「オーフェン以外の人を好きになったら困るわよね」
「終わりじゃないのかよ!?」
「だってオーフェンが」
「俺がどうした!?」
「気になるんでしょ?」
「ちっ。せっかくいい感じで終わると思ったのによ」
「続きなんだけど」
「あー、はいはい。聞きゃいーんだろうが」
「好きになっちゃだめって思うのよ」
「それはさっき聞いた」
「わたしはオーフェンがいるからって」
「それもさっき聞いたがあと10回くらい言ってくれ」
「オーフェンに夢中になってたいのに、心が20%くらい持ってかれて・・・自分でも悔しかったのよね」
「相手は誰だ?心配すんな。お前の悩みの種を消しに行くだけだ。さくっと。明日にでも。いや、今からでも」
「心配しなくても大丈夫よ。相手はわたしのこと好きじゃないから」
「・・・それもムカつくな」
「どうして?わたしを取られる心配しなくていーじゃない」
「そうかもしれんが、なんとなく」
「さらに言うと、人でもないの」
「じゃあ何だ」
「仔ネコ」
「好きな男って言わなかったか?」
「オスだったのよ」
「人って言わなかったか?」
「好きな男の仔ネコって変じゃない?」
「・・・・・・・・ははは(嘲笑)」
「レキもいるしさ、オーフェンも、わたしがそのネコに夢中になったら寂しいわよね」
「そうだな。レキだけで充分だ」
「だからわたし、彼のことはあきらめるわ」
「それがいいさ」
「そうね」
「ああ。・・・・もう寝るか」
「そうね」
「おやすみ、クリーオウ」
「おやすみなさい、オーフェン」






(2004.7.30)

ラブな恋愛書きさんに100のお題
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