昼間、彼に忠告されたことで、眠っているときに感じた安らぎの原因が分かった気がした。 ここ二、三日で幸せな夢を見ていた記憶はあるが、それは夢であって夢でなかったらしい。 本当に夢の部分もいくらかあるのだろうが。 昨日は、オーフェンの言っていることが本当かどうか、実は内緒で試してみた。 夜中にトイレに行くふりをして起きて、廊下で時間をつぶし、また部屋に戻る。 そして彼が話してくれた通り、わざとベッドを間違えてみた。 もちろん寝ぼけている振り――半分は演技ではなかったが――をして。 それをして分かったのは、オーフェンの隣は驚くほど安心できるということだった。 何か特別な波長でも放っているのか、そばにいるだけで無駄な力が抜けていく。 不思議だったが、とにかく気持ち良くてそのまま眠ろうとした。 だがいくらもしないうちに彼に抱きかかえられ、自分のベッドへ戻された。 何となく手慣れている感じで、本当に何度か勝手に侵入していたらしい。 申し訳ないと思ったが、離れるのがおしいと思うほど、それは心地良かった。 だから今夜は、それを求めてクリーオウは自ら行動する。 トイレに行く振りはもう面倒なので、直接オーフェンのベッドにもぐり込んだ。 大胆というより、不品行だ。 トトカンタにいる母親が知ったら卒倒するかもしれない。 笑って肩を叩いてくれる可能性も否定できないが。 少なくとも姉は軽蔑するか怒るか気絶するだろう。 けれど寝ぼけていると、人はわけの分からない行動を取るようになる。 考えることも的外れなことが多く、みんなどこかおかしかった。 そして今、自分は半分眠っており、脳がうまく働かない。 すべてを寝ぼけのせいにして、クリーオウはオーフェンのベッドで再び眠ろうとした。 思った通り、そこは不思議なくらい居心地が良い。 しばらくすると、ベッドの中心あたりからぎょっとした気配が伝わってきた。 いつもなら一度部屋を出てからなのに、そのままベッドに入ったら驚きもするだろう。 気の毒な気もするが、それよりも眠い。 クリーオウはかまわず、意識を沈めていった。 しかし完全に眠ってしまう前に、またオーフェンに抱き上げられる。 いつものように、ベッドに戻されるのだろう。 今は抱かれているから良いが、離れてしまえばすぐに寒くなる。 心地良い場所から放り出されたくはなかった。 「や」 半分眠っているので、ちゃんと声になったかどうか分からない。 彼女はうめいて、目を閉じたまま彼の腕の中で身をよじった。 断りもせずオーフェンの胸に顔を埋めて、落ち着く。 眠い。 寝ぼけていると、本当に変な行動に出るものだと、クリーオウは他人事のように思った。 彼女の声は通じていなかったのか、そっとベッドに下ろされる。 ぽんぽんと、普段しているように彼が頭を撫でてきた。 幸せな時間はもう終わりなのだと残念だったが、先ほどの数分間で満たされてはいる。 クリーオウは今度こそ、深い眠りに落ちた。 2009.4.21 クリーオウらしくない気もしますが、「や」とか身をよじるのは考えてなかったので、私の中では彼女なのです。 自分で読み返して違和感はありますが。 マイナスイオン放ってる人、会社の中にいます。 |
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