□ 聞いたわたしがバカでした □


今まで漠然としていたことが、急に現実味を帯びてきて、クリーオウはいつになく緊張していた。
コルゴンと旅をするようになってから、一度たりとも気を抜いてはいない。
いつだって気を張ってきたけれど、そこにまた新たな緊張が加わった。
ただ歩いているだけでも、数分毎に思い出しては身震いする。
それほど気温は低くないが、得体の知れない寒さが彼女を襲った。
もうすぐ彼に会える。
嬉しくもあったが、どちらかというと恐怖のが強かった。
今までやってきたことが、彼の言動如何によっては一瞬で無駄に終わる。
絶望するのが怖いのだ。
「あなたは緊張しないの?」
こうしてコルゴンに話しかけることはめったにない。
質問すれば大抵は答えてくれるのだが、会話をしていてもあまり楽しいとは思えなかった。
それに、彼と話しをすることで、余計なリスクを背負ってしまう場合もある。
すでに何度も失敗していたから、だいぶ慣れたとはいえ、最初の頃とほとんどしゃべる回数は変わらなかった。
沈黙が長すぎることに対しては、今更不満もないし気にすることさえ馬鹿げている。
それでも話しかけずにはいられなかった。
「緊張?」
聞き流される確率も高かったのだが、コルゴンは問い返してきた。
歩きながら、背中もこちらに向けたままだったが。
「ええ。もうすぐあの人に会えるから、緊張……とか」
言ってから、後悔する。
まともに考えて、この男が彼に会うことで緊張するわけがなかった。
どこまで守ってくれるのかは分からないが、彼に手を出さないでくれと伝えてある。
挑まないのであれば、緊張する要素がどこにもない。
「お前は奴に会いたかったのに緊張するのか?」
「そりゃ……」
するだろう、普通なら。
ずっとそれが目標だったのだから。
「なぜ?」
「なぜって……」
そんなことを聞かれても分かるはずがない。
やはり話しかけなければ良かったと、クリーオウは小さく後悔した。






2009.2.14
うわ、意味のない話になってごめんなさい。
続きは無理やり書けば書けますが、やっぱり意味のない話になりそうなので、やめ。
思いつかないし。
とにかく緊張しますってお話。

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