今まで漠然としていたことが、急に現実味を帯びてきて、クリーオウはいつになく緊張していた。 コルゴンと旅をするようになってから、一度たりとも気を抜いてはいない。 いつだって気を張ってきたけれど、そこにまた新たな緊張が加わった。 ただ歩いているだけでも、数分毎に思い出しては身震いする。 それほど気温は低くないが、得体の知れない寒さが彼女を襲った。 もうすぐ彼に会える。 嬉しくもあったが、どちらかというと恐怖のが強かった。 今までやってきたことが、彼の言動如何によっては一瞬で無駄に終わる。 絶望するのが怖いのだ。 「あなたは緊張しないの?」 こうしてコルゴンに話しかけることはめったにない。 質問すれば大抵は答えてくれるのだが、会話をしていてもあまり楽しいとは思えなかった。 それに、彼と話しをすることで、余計なリスクを背負ってしまう場合もある。 すでに何度も失敗していたから、だいぶ慣れたとはいえ、最初の頃とほとんどしゃべる回数は変わらなかった。 沈黙が長すぎることに対しては、今更不満もないし気にすることさえ馬鹿げている。 それでも話しかけずにはいられなかった。 「緊張?」 聞き流される確率も高かったのだが、コルゴンは問い返してきた。 歩きながら、背中もこちらに向けたままだったが。 「ええ。もうすぐあの人に会えるから、緊張……とか」 言ってから、後悔する。 まともに考えて、この男が彼に会うことで緊張するわけがなかった。 どこまで守ってくれるのかは分からないが、彼に手を出さないでくれと伝えてある。 挑まないのであれば、緊張する要素がどこにもない。 「お前は奴に会いたかったのに緊張するのか?」 「そりゃ……」 するだろう、普通なら。 ずっとそれが目標だったのだから。 「なぜ?」 「なぜって……」 そんなことを聞かれても分かるはずがない。 やはり話しかけなければ良かったと、クリーオウは小さく後悔した。 2009.2.14 うわ、意味のない話になってごめんなさい。 続きは無理やり書けば書けますが、やっぱり意味のない話になりそうなので、やめ。 思いつかないし。 とにかく緊張しますってお話。 |
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