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買い物も済ませ、食事にでも行こうかと、オーフェンたちは店を出た。 大きめの店だったため、店を出ても数歩の距離まで屋根が付いている。 その間にいろいろと準備をしろということだろう。 今日は屋根の存在が役に立つ日らしく、その場で足を止める人間も多かった。 中にはまた店へと引き返す強者までいる。 しばらく時間をつぶしに行くか、傘を買いに行くかのに二択だろう――雨が降っていた。 自分たちはというと、店内に戻らずに次の目的地へ行くことができる、あらかじめ雨を予想している側である。 出かける際にクリーオウが空を見上げ「あやしい……」と呟いたのが功を奏した。 ただし、その時はただどんよりと曇っているだけだったので、傘は二人で一本だが。 思っている間に、クリーオウは素早く傘を開いてオーフェンに渡してきた。 「はい」 「ん」 受け取って、二人の間に傘をさす。 二人で歩きだすと、彼女は雨に濡れまいとしてか、オーフェンに寄り添ってきた。 食事をする場所はすでに決まっている。 よほど楽しみなのか、クリーオウがは機嫌よく鼻歌を歌っていた。 オーフェンはオーフェンで、何を食べようかと今から迷っている。 と、彼女の鼻歌が小さくなり、やがて消えた。 「?」 店まではもう少し距離があるのだが、気分でも変わったのだろうか。 頭の片隅で訝しく思っていると、クリーオウは眉根を寄せてこちらを見上げた。 「オーフェン、どうして今わたしが機嫌良いのか分かってないでしょ」 「え?」 そう言われて、オーフェンは彼女の表情をまじまじと観察する。 が、クリーオウは口をとがらせており、明らかに不機嫌そうだった。 「機嫌良いのか?」 逆に問いかける。 するとクリーオウはきっぱりと怒りながら宣言した。 「悪いわよ!」 「そうだよな」 その答えに、彼は妙に納得する。 ひとりで満足していると、彼女はさらに怒った。 「じゃなくて、良かったのに悪くなったの!」 「ああ、やっぱ濡れちまったか。ごめんな」 宥めるように、オーフェンは傘を持っていない方の手で彼女の頭を軽く叩いた。 叩いてから、自分の手に水滴が付いていたことを思い出してやや後悔する。 これでは逆効果である。 「それも違うわ!」 「じゃあ何だ?」 クリーオウはもどかしそうにしているが、オーフェンにも彼女の怒る理由がさっぱりわからない。 すると彼女は、おもしろくないといったように唇を尖らせた。 「二人で一本の傘をさしてるのが嬉しかったの!」 「わかんねーよ」 わかるわけがない。 クリーオウは当然のことのように告げてくるが、今の心境の変化を理解できる男の方が少ないだろう。 しかしそう思うオーフェンがもしかすると少数派なのだろうか。 どちらにせよ、今優先させるべきことは、彼女の機嫌を取ることだ。 とはいえ、クリーオウが喜びそうなせりふなど、すぐには思いつかない。 てっとり早く、オーフェンは彼女の額にキスをして事を収めた。 (2008.10.5) 道行くカップルはネタの宝庫だ!のときがある。 ラストひでーよオーフェン。 読みにくくてすみません、でも素材が気に入ったので! |
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