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「ねぇオーフェン、寝る前に何かお話してよ」 「お話ぃ?」 「そう。物語りかなんか」 「物語りっつっても、うちにゃ絵本なんてないし」 「作ればいいじゃない」 「作れって」 「即興で。わたしが主人公の話してよ」 「……んー……むかしむかしあるところにクリーオウというおばーさんが」 「ちょっと」 「んだよ」 「なんでわたしがおばあさんなのよ。やり直し」 「……むかしむかしあるところにクリーオウという庶民の娘が」 「ちょっと」 「んだよ」 「なんでわたしが庶民の娘なのよ」 「んなこと言ったってお前貴族じゃないだろ」 「そーじゃなくて。お姫様でしょ?おときばなしの主人公っていったらお姫様じゃない」 「はぁ。……むかしむかしあるところにクリーオウというお姫様がおりました。しかしこのお姫様、姿は愛らしいのですが中身はわがままで気が強く、しかもじゃじゃ馬でした」 「ちょっと」 「ほんとのことだろ」 「離婚するから」 「…………」 「離婚が嫌ならせめて言い方くらい変えてよね」 「……お姫様はとても愛らしいのですが、ただちょっと元気すぎるところもありました」 「それでいいのよ」 「それで……えー。ところでこれは何の物語りなんだ?」 「何って?」 「世界征服でもすればいいのか?」 「どうしてお姫様のわたしが世界征服なんてするのよ」 「ありえなくもないだろ」 「ないわよ」 「じゃあ株で儲ける話とか」 「どこの世界に株をするお姫様がいるの?」 「いないか?」 「いないわ」 「うーん」 「普通悩まないでしょ。お姫様っていったら恋愛よ。れ・ん・あ・い」 「……お姫様のいる国は、すぐ隣りにある国と犬猿の仲でした。しかしある日、隣りの国の使者が訪れます。彼の名前はオーフェン。隣りの国の王子様でした」 「ちょっと」 「なんで止めるんだ」 「だっておかしいじゃない、オーフェンが王子様だなんて」 「お前、自分は分不相応なくせに、俺には文句付けるのか?」 「だって似合わないんだもの。とにかく王子様はオーフェン以外の人でお願いね。はい、やり直し」 「じゃ、さっき出て来た王子はどうすんだよ」 「素敵な王子様だったら結婚するわ」 「おい」 「さ、続き」 「……城にやってきたのはバカで有名なバカ王子でした」 「そんなにわたしが好きなの?」 「おまけに背が低く足も短くぶさいくでしかも太っており救いようがありません。王子は言いました。『クリーオウ姫、どうか僕と結婚してください。国のためにも』さあどうするクリーオウ」 「……いや」 「そこにふらりとやってきた旅の魔法使いが現れました。『クリーオウ姫、そのバカ王子はバカなのでやめておきなさい』」 「忠告されなくても普通やめると思うの」 「『あ、あなたは……』『俺はオーフェン。国のことが大事なら俺が隣国を征服して君に捧げよう』」 「簡単に言うわね」 「『本当ですかオーフェン様』『ああ、本当だとも』『素敵』」 「ありえないわ。てゆーか、わたし飽きてきて眠いんだけど」 「俺もだ。……そんなこんなで魔法使いオーフェンは隣国を手に入れ、彼に惚れたクリーオウ姫と結婚し、とり あえずは幸せに暮らしましたとさ。おわり」 なにか急に書きたくなった話です。 つまらない掛け合いが書きたかったのかな? それにしても会話だけの話ってなんて楽・・・(うっとり) (2006.11.18) |
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