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玄関の呼び鈴を押す前に、オーフェンは帰りの途中に薬局で買った包帯を自分の顔に適当に巻きつけた。 準備が整ってから、意地の悪い浮かべて呼び鈴を鳴らす。 すぐに家の中で声がして、彼の妻が笑顔でオーフェンを出迎えた。 まんまとわなにかかりにきた彼女が、オーフェンにはかわいくて仕方がない。 「Trick or Treat?」 びっくりしたように動きを止めたクリーオウに、お約束の文句を投げかけた。 クリーオウはじっとオーフェンを見つめ、数秒後にやっとぎこちなく口を開く。 「・・・えーと。ごはんなら。かぼちゃづくしの」 「お菓子はないんだな?」 彼はにやにやしながら、家に入って後ろ手に扉を閉める。 そしてしっかりとかぎをかけた。 邪魔が入らないように。 「・・・わたしが明日食べるつもりだったお茶受け用のクッキーだったら棚の中に・・・」 「 もはや揚げ足を取るような形で、しっかりと念を押す。 その迫力に押されてか、クリーオウはこくこくとうなずいた。 「じゃ、いたずらだ」 彼女に聞こえるように呟いて、彼が包帯の下でいやらしい笑みを浮かべる。 そしてオーフェンは物語の悪役が正体を明かすようにゆっくりと、顔の包帯を解いていった。 クリーオウもまた、物語の人物のように静かに成り行きを見つめている。 オーフェンは包帯を全て解くと、今度は彼女の両手を取った。 長い包帯をやんわりと(だがほどけないように)巻きつけ、固定する。 「なに?」 拘束された両腕を見下ろし、彼女は困惑したように聞いてきた。 包帯には便利な使い道がいろいろとある。 柔らかい体を抱き、オーフェンはクリーオウの耳元で囁いた。 「なにって、いたずら」 彼女の耳たぶを甘噛みして、そのままゆっくりと押し倒す。 二人して玄関の床に倒れると、様々な刺激にかクリーオウが小さく悲鳴を上げる。 それにかまわず、オーフェンは彼女の胸元に顔をうずめた。 「・・・ごはん冷めるわよ?」 何を思ったか、クリーオウはそんなことを聞いてくる。 答えるまでもなく、オーフェンにはどうでも良い質問だった。 (2006.10.18) |
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